優等生キャラのわたしがオラオラ系男子とつきあった
私はよく周囲の人からしっかり者だと言われることが多く、実際に学生のころから部長を務めたるなどをしてきました。社会に出てからも幸いなことに早々に管理職にもさせてもらうことができています。
そのイメージは恋愛にも適用されて、過去に付き合った男性はみんな私に甘えてくる部分が強かったです。
自分でも面倒見が良い部分はあることは認めますが、正直なところ私は男性にはリードされたい派です。自分のイメージのせいで理想とするタイプと付き合えないことに不満を抱いていました。
なので私は普段の自分を知らない人に出会いたくて、出会い系を使いました。
年上ならリードしてくれるだろうと思い、年齢を絞って探しましたがあまり上過ぎるのも抵抗があります。年齢が近いと無駄に紳士的なメッセージばかりで、私が望んでいるのとは少し違います。
そんな中でちょっと気になる男性を見つけました。プロフィールの写真からして目つきがちょっと悪くて、メッセージもぶっきらぼうで本気で人を誘っているのかよくわかりません。
年齢は1歳上なだけでしたが、その人に妙に興味を持ってしまった私はメッセージを送ってみました。
ほとんどの男性はすぐに返事が返ってくるのですが、その人からは何も戻ってきません。
無視されたかなと思っていたころにようやく返信がありましたが、遅れを詫びることもなく「仕事は何?」など短文での質問がきます。
そんなやり取りを繰り返しているうちに「会うか?」と訊かれて思わず了承してしまいました。
出会ったのは夜の渋谷でした。
すっぽかされるかとも思っていましたが、待ち合わせ場所には先に着いていてポケットに手を突っ込みながら退屈そうにしているのが印象的でした。
近づいてみると黒のスーツでキメていて、目つきも写真以上に悪く、完全に私は失敗したと思いました。
しかし声は意外と優しくて、口調は相変わらずぶっきらぼうで横柄ですが、なんとなく良い人そうな感じがしました。
予め決めていたお店に向かって人混みの中を歩いていたのですが、私が遅れないように注意を払いながら歩いてくれて、そのギャップに戸惑っていました。
食事中の会話は思いのほか弾み、彼もそこまで笑うタイプではないものの冗談を言ったりして盛り上げてくれます。料理も取り分けてくれるなど割と気遣いもできています。
自分のペースで動きながらも気配りをしている彼に私は一層興味をもっていきました。
食事のあと、クラブに連れて行かれました。私は行ったことがなかったので最初は遠慮しましたが、半ば強引に連れて行かれてしまいました。
翌日も仕事だったので終電までと決めて着いていきましたが、そこでも彼は初心者の私に気を遣ってくれていました。
時間が来て帰ることを伝えると、駅まで送ると言ってくれ2人で外に出ました。
さっきよりも会話は少なくて嫌われたかなと思っていたら、駅が近づいてきたとこで彼は急に立ち止まり私にキスをしました。
そんな唐突なことをされたことがなかったのでビックリしましたが、彼は何事もなかったかのように駅に向かいました。
ぼんやりしながら電車に乗った私は完全に落ちたことを自覚し、またすぐに会いたいと伝えました。
1週間後にもう一度会い、その後は正式な告白はなかったものの交際状態となりました。
彼から「好き」という言葉は出ませんが、友人との電話で「彼女といる」というニュアンスの話をしているのを聞いて、認められてはいるのだなという感じでした。
交際中は私にとって新鮮なことも多くて楽しかったです。
どんどん引っ張ってくれる彼は頼もしくもありました。
しかし少し結婚を意識し始めると彼の子供っぽさが目につくようになりました。仕事が忙しくなって会える時間が減って、怒られるのも面倒になってしまいました。
結局すれ違いが増えたことで別れることになりましたが、良い経験をさせてもらったと思っています。